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月光の囁き

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喜国雅彦のマンガを塩田明彦が映画化。爽やか青春フェチ映画なんですね。この塩田監督については「ギプス」という作品で以前紹介したのですが、その時、監督の個人的な出来事が「ギプス」という映画を作る動機になったのでは?と勝手に想像したのですが・・違いました。塩田作品のフェチイズムの原点はこの映画でしょう。

一般的にこのような変態チックな物語は屈折した都会でのストーリーかと思うのですが、舞台は地方(ロケ地は四国)で主人公は田舎の高校生なんですね。まあ、この片は喜国雅彦の原作通りで喜国作品の王道でもあるのですが(王道って何か変だけど)このフェチ映画を丁寧に塩田監督が作り込んで青春映画に昇華させた事がこの映画のすごみであると思います。

地方の高校生 日高拓也(水橋研二)が同じ剣道部の憧れの北原紗月(つぐみ)と高校生らしい交際を始めることができるのだが拓也の中のもう一人の自分がどんどん大きくなっていく。紗月のルーズソックスや身につけているものに関心を持ち、紗月は、はじめは困惑するのだが、拓也を痛めつけたり、先輩とのセックスを拓也に見せたりと段々その世界に引き込まれていく・・・。

以外と女性にも多い喜国ファン。マンガの世界より一層リアルな世界が見られるかもしれません。
またラストシーンの曲がスピッツの「運命の人」というのも美味しいですね。

拓也役の水橋研二も今では人気実力派俳優だが、この映画の中ではかなり恥ずかしめを受けるようなシーンも頑張っています。(ある意味、その手のシーンを見てみたい女性は必見!)つぐみはモデル出身で「贅沢な骨」とかでも主演の一人です。あと、このコンビ(水橋研二&つぐみ)はNTT西日本のCFに出演してたらしい。この映画を意識した組み合わせだったんですかねぇ?
また塩田監督は「黄泉がえり」がすっかり有名です。

では、あなたも理解しがたい世界をかいま見てみますか?

第9回日本映画プロフェッショナル大賞
新人奨励賞受賞
第21回 ヨコハマ映画祭 最優秀新人賞
第14回 高崎映画祭 最優秀新人賞

おススメB級度:★★★★☆ おススメGOOD度:★★★☆☆

月光の囁き ディレクターズカット版 [DVD]
塩田明彦
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◆作品データ
1999年 出演:水橋研二、つぐみ、井上晴美  監督:塩田明彦

◆あらすじ
好意を寄せ合う高校生・拓也と紗月だが、拓也が彼女にフェチ的な欲望を抱いたことが発覚し、その関係はSM的なニュアンスを漂わせていく。従来のバージョンでは、拓也の性的嗜好を嫌悪する紗月が、次第に「お前は私の犬」と言い放つほどの加虐性を身につけていくよう描かれていたが、ディレクターズカット版での紗月は、拓也との異常な関係に悩むが姉に「あなたが本当に好きなのは拓也くんだけ」と指摘されるシーンが追加されている。これによって紗月の気持ちが揺れ動きながらも、なお拓也に惹かれていることを自覚する過程が明確になった。

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